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第20話 成功体験は、時に失敗よりも危険だった

はじめに

第19話では、投資案件で約2,700万円を失った経験について書きました。

「そこまで失敗したなら、その後は慎重になったのでしょう。」

そう思われる方も多いかもしれません。

実際、私は2016年にFXで大きな失敗を経験し、「もう二度と同じことは繰り返さない」と心に誓いました。

しかし、投資はそんなに単純な世界ではありません。

一度失敗したからといって、その後ずっと正しい判断ができるようになるわけではないのです。

むしろ私にとって本当に危険だったのは、その後に訪れた成功体験でした。

その成功体験とは、ADA(Cardano)への投資でした。

目次

ADAが私に与えた自信

2017年。

私はADA(Cardano)に少額だけ投資しました。

当時は仮想通貨市場全体が熱狂に包まれ、「ブロックチェーンが世界を変える」と本気で信じられていた時代です。

   👉第18話「仮想通貨バブルで私は「夢」を買っていた|2017年の投資体験」

幸運にも、その投資は大きく成功しました。

一時は、投資額の約400倍にまで膨らみました。

「FXで失った資金を取り戻すことができた。」

「あの失敗は取り返せた。」

そう思った瞬間でした。

もちろん、すべてが自分の実力だったとは思っていませんでした。

しかし、その成功は私に大きな自信を与えました。

「投資の世界が少し分かってきた。」

そんな感覚が、少しずつ心の中で大きくなっていったのです。

「次の100倍」を探し始めた

当時、私には投資の師匠がいました。

師匠はいつもこう話していました。

「爆発力のある案件を2〜3回転させれば、資産は何倍、何十倍にもなる。」

そして、

「リスクを取らなければ、大きなリターンは得られない。」

ADAで実際に成功した私には、その言葉が非常に説得力を持って聞こえました。

私は「利益だから失ってもいい」と考えていたわけではありません。

失えば、当然痛い。

それでも、「大きな資産を築くには、次の成長分野へ資金を回し続けることが必要だ」と信じていました。

だから私は、「次の100倍」を探し始めたのです。

Lendroidへの期待

その頃、私が大きな期待を寄せていたプロジェクトの一つがLendroidでした。

当時の説明では、Lendroidはイーサリアム、ADA、BitSharesなど、実績ある仮想通貨プロジェクトに携わり、ICOでも成功を収めたハーシーブ氏とヴィグニッシュ氏が開発を手掛けるプロジェクトでした。

さらに、私の投資の師匠も、裕福層向けのロードマップの中で有望な案件として紹介していました。

  👉第4話「なぜ人は「成功の空気」に惹かれるのか」

私は自分なりに調べ、「これは将来性がある」と判断しました。

「ADAで成功した。」

「次はLendroidかもしれない。」

「100倍になる可能性は十分ある。」

「今度はもっと投資額を増やそう。」

そう考えて投資しました。

結果は、ご存じのとおりです。

Lendroidは期待されたような成長を遂げることはできませんでした。

私は長い間、この投資を「失敗だった」とだけ考えていました。

しかし今振り返ると、少し違う見方をしています。

Lendroidは、SENERやD9のような劇場型詐欺とは性質が異なります。

技術開発型のプロジェクトには、成功するものもあれば、失敗するものもあります。

投資とは、本来そういうものです。

問題は、私がその失敗する可能性を十分に織り込めていなかったことでした。

成功するかもしれない。

ではなく。

成功するだろう。

そんな気持ちが、どこかにあったのです。

成功体験が判断を曇らせる

今思えば、私はLendroidだけに期待していたわけではありません。

「次の成長分野」と言われるものを探し、さまざまな案件に目を向けていました。

その中には、後に実態を詳しく検証することになる転売ビジネスもありました。

当時の私は、「何が儲かるか」を一生懸命探していました。

しかし、この頃から少しずつ、

「本当に利益はどこから生まれているのか。」

「そのビジネスは持続可能なのか。」

という疑問を持つようになっていきます。

その気付きが、私の投資人生を大きく変える転機になりました。

私が学んだこと

この経験から学んだことがあります。

失敗は、人を慎重にします。

しかし成功は、人に自信を与えます。

その自信は大切です。

ですが、自信が確信に変わった瞬間、人は自分の判断を疑わなくなります。

私は、まさにその状態でした。

だから今でも、自分に問い続けています。

この利益は、本当に自分の実力なのか。

それとも、市場全体の追い風に乗れただけなのか。

その問いを持ち続けることが、私にとって最大のリスク管理になっています。

ADAは私に大きな利益をもたらしてくれました。

そして、それ以上に大きな教訓も残してくれました。

成功体験は、自信を与えてくれます。

しかし、その自信が「自分は分かった」という確信に変わった瞬間、人は最も大きな判断ミスを犯すことがある。

私は、そのことを身をもって学びました。

次回予告

Lendroidの経験、そしてその後に経験した転売ビジネスへの挑戦は、私にもう一つの大きな気付きを与えました。

それは、

「儲かる話」と「利益が生まれる構造」は、まったく別物だということです。

👉次回公開予定 第21話「私は『儲かる話』ではなく、『儲かる構造』を見るようになった」

次回は、私が「何が儲かるか」ではなく、「なぜ利益が生まれるのか」を考えるようになった転機についてお話ししたいと思います。

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この記事を書いた人

長年、半導体分野の技術開発に携わった経験を持つ会社員投資家です。昼は会社員、夜と週末は投資の成功と失敗を振り返りながら、半導体・AI企業の成長構造や売買判断について書いています。

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