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第18話 仮想通貨バブルで私は「夢」を買っていた|2017年の投資体験

目次

仮想通貨バブルに飲み込まれた2017年

2017年。

あの年を経験した人なら分かると思います。

世の中が本気で、
「これから世界が変わる」
と信じていました。

ビットコイン。

イーサリアム。

ICO。

ブロックチェーン。

毎日のように新しいプロジェクトが誕生し、「次の100倍銘柄」がSNSで語られていました。

私も、その熱狂の中にいました。

半導体しか知らなかった私

私は半導体エンジニアとして働き、2012年から2014年までアメリカに駐在していました。

しかし、それは仕事の話です。

投資については、今振り返ると本当に素人でした。

当時の資産は投資信託が殆どで、個別株はほんの一部。

投資信託も、

「長く積み立てれば大丈夫。」

「プロが運用してくれる。」

そんな証券会社の担当者からの説明を信じて、勧められた商品を買うばかりで、

自分で企業分析をして投資先を選ぶような知識も経験も、発想すらありませんでした。

前年の2016年にFXで大きな失敗を経験し、「これからどう資産を築いていけばいいのだろう」と悩んでいた時期でもあります。

そんな私の前に現れたのが、仮想通貨という新しい世界でした。

そこで初めて、

「企業ではなく夢に投資する」

という世界に足を踏み入れたのです。

ADAとの出会い

最初に大きな利益をもたらしてくれたのはADA(Cardano)でした。

正直に言えば、当時の私は、ブロックチェーン技術を理解していたわけではありません。

カルダノ(ADA)が何を実現しようとしているのかも、今ほど深く理解していたわけではありません。

それでも、周囲から聞こえてくる話は魅力的でした。

「銀行がいらなくなる。」

「世界中の送金が変わる。」

「インターネット以来の革命になる。」

そんな言葉を毎日のように耳にしていました。

そして実際に価格は本当に短期間で何十倍にも上昇しました。

人生で初めて経験するような利益。

人は利益を得ると、「理解していたから儲かった」「自分は見抜ける人間なんだ」と錯覚します。

私も例外ではありませんでした。

でも今なら分かります。

私が買っていたのは、技術そのものではなく、その先に描かれた”夢”だったのです。

夢を見ることは悪いことではありません。

でも、夢だけを買ってはいけなかったのです。

「次は何を買う?」

利益が出ると、

考えることは一つです。

「次は何を買う?」

もっと大きく。

もっと早く。

もっと夢のあるプロジェクトへ。

今思えば、

ここから投資ではなく、

“宝探し”

が始まっていました。

ICOという魔法の言葉

当時はICOが全盛期でした。

今では信じられませんが、

ホワイトペーパーだけで数十億円、

数百億円を集めるプロジェクトも珍しくありませんでした。

まだ製品もない。

売上もない。

利益もない。

それでも、

「世界を変える」

その一言だけで資金が集まっていました。

今なら危険だと思えることも、

当時は誰も疑っていませんでした。

私も完全に信じていました

「次は100倍になる。」

「Googleを超える。」

「世界標準になる。」

そんな話を毎日のように聞いていました。

そして、

私も信じていました。

いや、

信じたかったのかもしれません。

利益を出した人ほど、

次の夢を探し始めます。

夢は、現実より魅力的だからです。

夢は人を冷静ではなくする

株式市場でも同じですが、

価格が上がるほど、人は安心します。

本当は逆です。

価格が上がるほど、期待も膨らんでいます。

2017年の私は、価格ではなく、期待を買っていました。

価格は数字です。

しかし期待には上限がありません。

それに気付くのは、ずっと後になります。

この経験からの学び

私は今、

AI関連株を中心に投資しています。

AIという言葉だけを見れば、

2017年の仮想通貨ブームと似ている部分もあります。

熱狂。

期待。

未来。

どれも共通しています。

しかし、今の私が見ているものはだいぶ変わってきました。

売上。

利益。

設備投資。

半導体。

電力。

通信。

データセンター。

夢ではなく、

夢を支える現実です。

そう考えるようになったのは、

2017年の経験があったからです。

次回予告

しかし、2017年の熱狂は、ここで終わりませんでした。

私はさらに夢を追い続けます。

ICO、海外事業、海外不動産、知人から勧められた投資案件。

「次こそは本物かもしれない」

そう思うたびに、私は新しい話へ資金を移していきました。

それ以外にも、今では名前すら聞かなくなった案件がいくつもあります。

そうして信じたものの多くは、消えていきました。

気が付けば、失った損失は2,700万円になっていました。

それでも私は、

投資そのものを嫌いにはなりませんでした。

次回、
第19話 投資案件で2,700万円を失った理由|私が見誤った「儲かる構造」
で、その理由を書こうと思います。

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この記事を書いた人

長年、半導体分野の技術開発に携わった経験を持つ会社員投資家です。昼は会社員、夜と週末は投資の成功と失敗を振り返りながら、半導体・AI企業の成長構造や売買判断について書いています。

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