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第22話 それでも、なぜ私は投資を続けたのか

目次

はじめに

ここまで、私が経験してきた投資の失敗について書いてきました。

FX。

仮想通貨。

ICO。

海外不動産。

さまざまな投資案件。

そして前回書いた転売ビジネス。

👉 第21話「私は『儲かる話』ではなく、『儲かる構造』を見るようになった」

振り返ってみると、

「よくこれだけ失敗したものだ」

と自分でも思います。

特に大きかったのは、2016年のFXでした。

私はここで約2,800万円を失いました。

その後も投資をやめることなく、さまざまな案件に資金を入れました。

そして、そこでも大きな損失を出しました。

👉 第19話「投資案件で2,700万円を失った理由|私が見誤った「儲かる構造」」

普通なら、ここでこう考えるかもしれません。

「もう投資なんてやめよう。」

でも、私はやめませんでした。

なぜだったのでしょう。

今回は、そのことについて振り返ってみたいと思います。

「取り返したかった」だけなのか

もちろん、

失ったお金を取り返したい。

という気持ちはありました。

2,800万円。

さらに、その後の投資案件でも大きな損失。

決して簡単に諦められる金額ではありません。

だから、

「もう一度投資で取り返したい」

という気持ちがなかったと言えば嘘になります。

ただ、今振り返ってみると、それだけではなかったように思います。

なぜなら、すべての投資で失敗していたわけではなかったからです。

うまくいった投資もありました。

まあまあだったものもありました。

少し損をしたもの。

ほとんど戻ってこなかったもの。

本当にさまざまでした。

そこで私は、あることを考えるようになりました。

「投資をしたこと」そのものが間違いだったのでしょうか。

今なら、そうではなかったと思います。

問題だったのは、

何に投資したのか。

そして、

なぜ投資したのか。

さらに、

自分はそれをどこまで理解していたのか。

そこに大きな違いがあったのではないか。

2018年頃、私はようやくそれを考え始めました。

2018年、私は自分の投資を並べてみた

それまで私は、本当にいろいろなものに投資していました。

そこで一度、

「何がうまくいって、何が失敗したのか」

を自分なりに整理してみることにしました。

すると、改めて気づきました。

比較的安定していたのは、不動産投資でした。

大きなリターンが出るわけではありません。

それでも家賃という形で収入が入りました。

証券会社で購入していた投資信託も、派手さはありませんでしたが、比較的順調でした。

一方、仮想通貨はかなり違いました。

Bitcoin。

Ethereum。

この二つは利益が出ていました。

ADAも大きく利益を出してくれました。

👉 第18話「仮想通貨バブルで私は「夢」を買っていた|2017年の投資体験」

しかし、そのほかのICOで購入した仮想通貨は、ほとんどうまくいきませんでした。

ADAについても、ICO直後から少しずつ価格が下がる局面を経験していました。

そこで私は、仮想通貨についても整理しました。

BitcoinとEthereumに資金を集中させる。

ADAもBitcoinへ交換する。

それ以外は、もう少し様子を見たいと思った数種類だけ残す。

それまでのように、

「次に何倍になるコインはどれだろう」

と次々に新しいものを探すやり方から、少しずつ離れ始めました。

投資には「相性」があるのではないか

ここで私は、もうひとつのことを考えるようになりました。

私が比較的うまくいっていた投資には、共通点がありました。

不動産。

投資信託。

Bitcoin。

Ethereum。

もちろん、それぞれリスクはまったく違います。

Bitcoinを低リスク投資だと思ったわけでもありません。

ただ、

自分が何を持っているのかが比較的分かりやすかった。

不動産なら、そこに建物があります。

入居者がいて、家賃が入ります。

投資信託なら、証券会社を通じていつでも自分で保有状況や価格を確認し、引き出すこともできます。

BitcoinやEthereumなら既に取引所に上場していました。価格は大きく変動しますが、市場価格を確認できます。

売ろうと思えば市場で売ることもできます。

一方で、私が大きく失敗した投資案件には、違う特徴がありました。

事業がどこまで進んでいるのか。

自分のお金が実際にどこで使われているのか。

誰がどのように利益を生み出しているのか。

いつ、どのような条件で資金を回収できるのか。

その重要な部分を、私は十分に理解していないものが少なくありませんでした。

それなのに、

「高いリターンが期待できる」

という理由で投資していました。

私は富裕層になりたかった

なぜ、そんな投資を繰り返したのでしょう。

一つには、私が目指していたものが関係していたと思います。

私は、

富裕層になりたい。

さらに、その先の、

師匠のように超富裕層と呼ばれるところまで行ってみたい。

そう思っていました。

だから、大きなリターンを求めました。

普通に働いて、会社で出世して、貯金しているだけでは、そこには届かない。

一般的な投資だけでは、大きく資産を増やすのには時間がかかる。

だったら、

普通の人が知らない投資機会を見つけなければならない。

そんな考えもあったのだと思います。

成功した投資家から紹介された案件。

海外の投資。

上場前の新規仮想通貨のICO

一般にはあまり知られていない事業。

これから大きく成長すると言われる市場。

限られた人しか参加できないという投資。

そんな話を聞くたびに、

「富裕層になる人は、こういうところに投資しているのではないか」

と思いました。

「特別な投資」という言葉に惹かれていた

今振り返ると、私は「特別」という言葉に弱かったのだと思います。

一般の人は知らない。

普通の証券会社では買えない。

今しか参加できない。

限られた人しか紹介されない。

そう言われると、

「自分は普通の人とは違う情報にアクセスできている」

ような気持ちになります。

でも、今なら分かります。

本当に特別な投資であることと、特別に見えるように売られていることは、まったく違います。

一般には知られていないから優れた投資とは限りません。

普通の証券会社で買えないから高いリターンが得られるわけでもありません。

「限られた人だけ」という言葉そのものには、投資価値はありません。

重要なのは、

その事業に本当に価値があるのか。

利益はどこから生まれるのか。

そして、自分はその仕組みを理解しているのか。

第21話で書いた、

「儲かる話ではなく、儲かる構造を見る」

という考え方です。

しかし、当時の私はそこまで見えていませんでした。

それでも、投資そのものが間違いだったとは思えなかった

ここで一つの疑問が残りました。

もし投資そのものが間違っているのであれば、

なぜ不動産からは家賃が入ってくるのでしょう。

なぜ投資信託は利益を出しているのでしょう。

なぜBitcoinやEthereumは、激しく価格が上下しながらも、私の資産形成に貢献しているのでしょう。

そして、ADAでは大きな利益を得ることもできました。

一方で、ほとんど戻ってこなかった投資もある。中には詐欺案件として摘発されたものもありました。

この違いは何なのだろう。

そこで、私は考え方を少し変えました。

「投資をするか、しないか」

ではなく、

「何に投資するのか」

を考えるべきなのではないか。

問題は、リスクを取ったことそのものではない。

取るリスクの選び方が、あまりにも甘かったのではないか。

そう考えるようになりました。

資産が半分近くになっていた

ただし、この見直しは、冷静な投資研究から始まったわけではありません。

もっと切実な理由でした。

私の資産は、

投資をスタートした頃から1/4ぐらいまで減っていました。

FXで大きく失い、

その後もさまざまな投資案件で資金を失いました。

それでも私は、新しい投資を続けていました。

しかし、さすがにここまで来ると考えます。

これ以上、失っていいのだろうか。

まだわずかばかり資産は残っています。

しかし、ここからさらに失敗を続ければ、

今度は、それまで比較的うまくいっていた資産まで売って、新しい投資に回すことになりかねません。

それだけは避けなければならない。

私は初めて、

「増やすこと」だけではなく、「残すこと」

を真剣に考えるようになりました。

コアまで崩してはいけない

当時の私は、「コア・サテライト」という言葉で自分の資産を整理していたわけではありません。

でも、今振り返ると、考え始めていたことはそれに近かったと思います。

すべてのお金を勝負に使ってはいけない。

比較的安定している資産まで売って、新しい投資案件に入れてはいけない。

コアとなる資産は残す。

そして、そのうえでリスクを取る。

ここで重要なのは、

私は、

「もうリスクを取らない」

とは考えなかったことです。

ハイリスク・ハイリターンを否定したわけではない

大きなリターンを得るためには、大きなリスクを取らなければならないことがあります。

私は、その考え自体を捨てたわけではありません。

Bitcoinだって、当時としては十分にハイリスクでした。

それでも保有を続けました。

だから、私が2018年に考え始めたのは、

ハイリスク・ハイリターン投資をやめることではありませんでした。

問題だったのは、

その中で、何を選ぶのか。

ということでした。

振り返れば、私はそれまで、

「高いリターンが期待できる」

というだけで、まったく性質の違うものを一緒にしていたのだと思います。

Bitcoin。

ICO。

海外不動産案件。

転売ビジネス。

MLM。

その他の投資案件。

どれも「高いリターンを狙う」という意味では同じように見えます。

しかし、本当に同じなのでしょうか。

価格が大きく動く投資。

事業が失敗する可能性が高い投資。

換金しにくい投資。

そして、

そもそもリスクの正体がよく分からない投資。

これらは、同じ「ハイリスク」という一言では片づけられないのではないか。

私は、ようやくそう考え始めました。

「やめる」のではなく、「選び直す」

だから私は、投資をやめませんでした。

投資そのものが間違っていたとは思えなかったからです。

実際に利益を生んでいる資産もありました。

長く保有することで価値が増えているものもありました。

そして何より、

私は投資そのものが好きだったのだと思います。

企業を見る。

市場を見る。

なぜ価格が動くのかを考える。

将来、何が必要になるのかを考える。

自分なりの仮説を立てる。

そして、その仮説が正しかったのかを市場に問う。

失敗しても、なぜ失敗したのかを考える。

私にとって投資は、ビジネス感覚を磨くため実践取引を重ねる場、単にお金を増やすためだけのものではなくなり始めていました。

だから、

「もう投資をしない」

ではなく、

「投資のやり方を変える」

という道を選びました。

この時、私の投資人生は少し変わった

2018年。

私は、それまで投資してきたものを自分なりに整理しました。

何が比較的うまくいったのか。

何が失敗したのか。

どこに大きなリスクがあったのか。

なぜ自分はそれを選んだのか。

そして、

これから、どのリスクなら取るのか。

この問いを考え始めました。

それまでの私は、

「どれくらい儲かるのか」

から投資を見ていました。

しかし少しずつ、

「何を失う可能性があるのか」

「そのリスクを自分は理解できているのか」

そして、

「失敗しても、もう一度立ち上がれるのか」

ということを考えるようになりました。

これは、今から見れば当たり前のことかもしれません。

でも、私にとっては大きな変化でした。

資産が1/4近くになるまで、私は本当の意味では分かっていなかったのだと思います。

この経験からの学び

投資で大きく失敗すると、

「投資なんてしなければよかった」

と思うことがあります。

私も何度も思いました。

でも、今振り返ってみると、

私の問題は、

投資をしたことではありませんでした。

何に投資するのか。

なぜ投資するのか。

どこまで理解しているのか。

どのくらいの資金を入れるのか。

そして、

失敗したとき、自分はどこまで耐えられるのか。

そこを十分に考えていなかったことでした。

私は、投資をやめませんでした。

その代わり、

「何でも大きなリターンを狙う投資」から、少しずつ離れることにしました。

リスクをなくすのではありません。

リスクを取らなければ、大きなリターンを得られないこともあります。

でも、

すべてのリスクを取る必要はありません。

私が学ぶべきだったのは、

リスクを避ける方法ではなく、

「どのリスクを取るのかを選ぶこと」

だったのです。

そして2018年、私は初めて、自分が経験してきた投資をリスクという視点から並べ直してみました。

すると、そこからもう一つ、大きな違いが見えてきました。

「値動きが激しい投資」と、
「リスクの正体が分からない投資」は、同じではない。

この違いは、その後の私の投資を大きく変えることになります。

次回予告

私はそれまで、

不動産。

投資信託。

Bitcoin。

Ethereum。

ICO。

転売。

MLM。

海外の投資案件。

さまざまなものにお金を入れてきました。

そして2018年、それらを一度、自分なりにリスクの順番で並べてみました。

そこで初めて気づきます。

ハイリスク・ハイリターンだから危険なのではない。

本当に怖いのは、

「自分が何のリスクを取っているのか分からないこと」

なのではないか。

次回は、2018年に私が行った投資の棚卸しと、その後の資産の考え方について書いてみたいと思います。

第23話「私は『リスクを取らない』のではなく、『取るリスクを選ぶ』ようになった」

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この記事を書いた人

長年、半導体分野の技術開発に携わった経験を持つ会社員投資家です。昼は会社員、夜と週末は投資の成功と失敗を振り返りながら、半導体・AI企業の成長構造や売買判断について書いています。

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