2026年6月25日。
朝起きて、マイクロンの決算内容を確認しました。
売上、利益、ガイダンス。
どれを見ても非常に強い内容でした。
市場予想を上回る決算は珍しくありません。
しかし今回の決算は、少し意味が違いました。
私は、マイクロンの株価そのものよりも、
「市場が何を評価したのか」
を見ていました。

マイクロン決算の朝
マイクロン株は大きく上昇しました。
日本時間23時30分頃には11%を超える上昇となり、一時1,255ドルを付けていました。
もちろん、好決算だったことが最大の理由です。
しかし、それだけならここまで大きな反応にはならなかったと思います。
市場が評価したのは、
「AI向けメモリ需要が本物だった」
という点だったのではないでしょうか。
AIサーバーが増えれば増えるほど、GPUだけではなくHBMも必要になります。
GPUが4倍になれば、メモリも4倍必要になります。
そして、HBMは簡単には増産できません。
私は他のAI投資家と同様に、2026年に入ったあたりから
「AI時代のボトルネックはGPUからHBMへ移る」
と考えていました。
今回の決算は、その仮説を市場が認識し始めた瞬間だったように感じました。
【第12話 マイクロン株は1000ドルを超えるのか|1500ドルシナリオを考えた理由】
見ていたのは株価ではない

実は私が見ていたのは、マイクロンの株価だけではありませんでした。
お気に入りに登録していた他の銘柄の動きも同時に見ていました。
すると、非常に面白いことが起きていました。
マイクロンは11%上昇。
一方で、
- NVIDIAは2%下落。
- ARMも2%以上下落。
- AMDもほぼ横ばい、でした。
もしAIブームそのものが加速しているのであれば、
GPUメーカーもCPUメーカーも同じように買われていたはずです。
しかし、実際にはそうなりませんでした。
その代わりに上昇していたのは別の企業でした。
市場は何を買ったのか


- Astera Labs。
- Lumentum。
- Credo。
これらの企業は、AIインフラの中でも、
- ネットワーク、
- 光インターコネクト、
- 高速通信、
という領域に関わっています。
一方で、
量子コンピュータ関連の
- IONQ、
- D-Wave、
- Rigetti
などは大きな動きはありませんでした。

ここでまた、これまでと同じ仮説を思い出します。
「市場はAIを買っているのではない。」
「市場はAIのボトルネックを買っている。」
という考え方です。
2023年から2024年にかけてはGPU不足でした。
だからNVIDIAが買われました。
2025年から2026年はHBM不足でした。
だからマイクロンが買われています。
そして次は、
ネットワークかもしれません。
光かもしれません。
電力かもしれません。
冷却かもしれません。
【第3話 半導体サイクルを理解すると、投資の見え方が変わる】
ボトルネックは移動する
私は半導体業界で長く仕事をしてきました。
半導体産業では、ボトルネックは必ず移動します。
製造装置が足りない時期もありました。
シリコンウェハーが足りない時期もありました。
ロジック半導体が足りない時期もありました。
そして今はHBMです。
投資も同じだと思っています。
「主役を追いかけるのではなく」
「次のボトルネックを探す。」
私はその方が、長期的には大きなリターンにつながると感じます。
企業名ではなく構造を見る
そのため、私は企業名ではなく構造を見るようにしています。
NVIDIAが好きだから買う。
マイクロンが好きだから買う。
そういう投資は、あまりしてきませんでした。
私は、
AIが増える。
するとGPUが不足する。
GPUが増える。
するとHBMが不足する。
HBMが増える。
すると通信が不足する。
通信が増える。
すると電力が不足する。
という連鎖を見ています。
そのため、
ARM、
Credo、
Astera Labs、
Lumentum、
POET、
IONQ、
D-Wave
などを継続して追っています。
もちろん、その予想が外れることもあります。
しかし、
「次に何が足りなくなるのか」
という問いは、これからも持ち続けたいと思っています。
第13話 マイクロン株をPERで見続けていた|半導体サイクルという仮説(前編)
第14話 AI相場でPERが通用しなくなった|崩れ始めた投資仮説(中編)
第15話 成長株の熱狂をどう管理するか|PERからHypeを見る(後編)
次のボトルネックを探す
今回のマイクロン決算で、私が一番印象に残ったのは株価ではありませんでした。
市場が、
GPUからHBMへ。
HBMからネットワークへ。
ネットワークから光へ。
少しずつ視線を移し始めているように見えたことでした。
もちろん、未来のことは誰にも分かりません。
数年後に振り返って、
まったく違う未来になっている可能性もあります。
それでも、
私はこれからも企業名ではなく、
構造を見たいと思っています。
そして、
次のボトルネックを探し続けたいと思っています。
なぜなら、
次の主役は、
いつもボトルネックから生まれると思っているからです。

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