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1000ドルは通過点なのか

― 私はなぜ1500ドルを考え始めたのか ―

目次

2026年3月。私たちの結論は「800ドルは夢枠」だった

2026年3月。

私はChatGPTにこう質問しました。

「マイクロンの株価はどこまで伸びそう?」

当時の株価は450ドル前後。

私は6年間保有していたマイクロン株を持っていました。

取得単価は72ドル。

すでに十分すぎる含み益でした。

しかし同時に、私の頭の中には、ある考えがありました。

「そろそろ天井なのではないか。」

なぜなら、マイクロンは長年、典型的なメモリーサイクル株だったからです。

メモリー価格が上がる。

利益が増える。

設備投資が増える。

供給が増える。

そして価格が崩れる。

私は元半導体エンジニアとして、このサイクルを何度も見てきました。

だから、1000ドルなどという株価は、正直想像していませんでした。

当時、私とChatGPTの見立てはかなり慎重でした。

600ドルは十分あり得る。

700ドルは強気シナリオ。

800ドルは夢に近い。

今から振り返れば控えめに見えます。

しかし当時としては、ごく自然な分析でした。

なぜなら、私たちはマイクロンを、

「メモリーサイクル株」

として見ていたからです。

私たちはPERを見ていた

2026年3月。

私が何度も確認していたのはPERでした。

EPSはいくらか。

PER10倍なら株価はいくらか。

PER12倍ならどうか。

PER15倍はあり得るのか。

単純に言えば、

EPS × PER = 株価

です。

例えば、

EPS50ドル
PER10倍

なら500ドル。

EPS60ドル
PER10倍

なら600ドル。

PER12倍まで許容されれば720ドル。

このように考えると、

600ドルは十分あり得る。

700ドルは強気。

しかし、700ドルまでは説明できても、800ドルや1000ドルはかなり強い前提が必要でした。

だから当初、私たちは800ドルを「夢枠」と見ていました。

しかし、ここに最初の落とし穴がありました。

私たちはマイクロンを、まだ「メモリー株」として見ていたのです。

私はEPSを見ていたつもりでした。

しかし、本当に起きていたのはPERの再評価だったのかもしれません。

そのPERについては次回、もう少し深く書いてみたいと思います。

→ 【第13話:私たちはPERを見ていた。しかし市場は別のものを見ていた】

富士山で言えば何合目なのか

当時、ChatGPTはマイクロン相場を富士山に例えていました。

2026年3月。

マイクロンは、

富士山で言えば6~7合目。

頂上はまだ見えない。

しかし、そろそろ空気が薄くなり始める。

ここから先は上昇余地もあるが、同時に転落リスクも高まる。

そんな見立てでした。

4月に500ドルを超えると、

「7~8合目。」

「まだ登れる。」

「しかし高山病にも注意。」

「利益確定も考えるべき。」

そんな認識でした。

私は毎日のように、この「富士山何合目なのか」を考えていました。

ChatGPTが提案した売却戦略

ChatGPTが提案していたのは、

全部売ることではありませんでした。

むしろ逆です。

500ドル台後半から600ドル付近で一部売却。

700ドルでさらに一部売却。

800ドルを超えるなら追加の利益確定も検討。

ただし、

20~30%程度を分割で売却し、残りで上昇を取りにいく。

という戦略でした。

私は、この考え方にかなり納得していました。

しかし、完全には納得していませんでした。

私が感じていた違和感

「本当にこれは従来のメモリーサイクルなのか。」

「データセンター向けメモリーは、そんなに簡単に供給過多になるのか。」

「AI市場は、そんなに早く終わるのか。」

AIサーバーはGPUだけでは動きません。

HBMが必要です。

しかも大量に。

そしてHBMを供給できる企業は限られています。

私は株価そのものより、

「AI時代のボトルネックは何か」

を考えていました。【第11話:暴落の中、私は何に賭けたのか】

最初はGPU。

しかしGPU性能が上がれば上がるほど、

今度はメモリーがボトルネックになる。

私は、

マイクロン=メモリー株

ではなく、

マイクロン=AIインフラ株

として市場が見始めているのではないか。

そんな違和感を持ち始めていました。

SOX指数が示していたこと

私が見ていたのはマイクロンだけではありません。

  • SOX指数。
  • GAFAMのAI CAPEX。
  • HBM不足。
  • AIデータセンター建設。
  • マイクロンのEPS予想。
  • アナリスト目標株価。

毎日のように確認していました。

もしマイクロンだけが上がっているなら、一時的な熱狂かもしれません。

しかし違いました。

SOX全体が強い。

AIインフラ関連全体に資金が流れている。

AI投資も止まっていない。

私は少しずつ考え始めました。

これは単なるメモリー市況の回復ではない。

「AIインフラ投資サイクルなのではないか。」

私は本当に悩んだ5月

5月に入り、株価は600ドルを超えました。

私は毎日悩んでいました。

売るべきか。

持ち続けるべきか。

1000ドルはあるのか。

それとも熱狂なのか。

私は過去に大きな失敗をしています。

FXで約2800万円を失いました。【第2話:私はなぜFXで2800万円を失ったのか】

SENERやD9でも大きな損失を出しました。

投資セミナーでも何百万円も失いました。

だから私は、

「まだ上がる」

という言葉を信用しきれません。

上がっている時ほど、人は冷静さを失うからです。

結局、25%だけ売った理由

私は手持ちのマイクロン株の一部を売却しました。

一度に売ったわけではありません。

465ドル、605ドル、700ドル付近で数回に分けて売りました。

平均売却価格は573ドル。

保有株の25%です。

今から見れば、早売りだったかもしれません。

しかし毎回ボタンを押した瞬間、

「もしかしたら、私は人生で最大の上昇相場を途中で降りるのかもしれない」

とも思った。

しかし同時に、

「いづれ全部持ったままではいられない」

「いまがピークかもしれない」

と思いながらの売却でしたので、後悔はしていません。

全部売れば、AI相場を取り逃がす。

何も売らなければ、熱狂に飲み込まれる。

だから私は、

25%を売って利益を確保し、残り75%で夢を見る。

そう決めました。

これは弱気の売却ではなく、自分なりの戦略に従った結果の売却でした。

熱狂管理(Hype Management)

この頃から、私はある言葉を考えるようになりました。

熱狂管理(Hype Management)

です。

私は半導体エンジニアとして、技術のHype Cycleを何度も見てきました。

新しい技術が登場すると、

過度な期待が集まる。

株価も急騰する。

しかし、期待が先行しすぎると失望も生まれる。

そして一度大きく調整した後、本当に価値のある技術だけが残っていく。

AIも例外ではないと思っています。

AI需要が本物であることと、

AI関連株にHypeが入っていることは、

実は両立します。

マイクロンのHBM需要が本物であることと、

株価が短期的に過熱していることも、

同時に起こり得ます。

私は過去に、

FXで約2800万円を失いました。

投資セミナーでも何百万円も失いました。

共通していたのは、

「今回は違う」

という言葉に飲み込まれたことでした。

だから私は、

AIの将来を信じながらも、Hypeの存在も認める。

「企業の価値」を分析しながらも、「株価」の熱狂も観察する。

その両方を同時に管理することを、

熱狂管理(Hype Management)

と呼ぶことにしました。

今回、マイクロン株の一部を573ドル付近で分割売却したのも、

AIを信じていなかったからではありません。

むしろ逆です。

AIを信じていたからこそ、

最後まで保有し続けるために、

自分自身の熱狂を管理したかったのです。

なぜ1000ドルは通過点になり得るのか

振り返ってみると、

1000ドルという数字そのものが重要だったわけではありません。

重要だったのは、

市場がマイクロンを何の会社だと思い始めたのか。

ということでした。

従来の見方。

メモリー株。

景気敏感株。

PER8~12倍。

しかし途中から、

AIインフラ株。

HBMはAI時代のボトルネック。

PER12~15倍。

という見方に変わり始めた。そして今も変わり続けています。

株価上昇の正体は、

EPSの上昇だけではありませんでした。

EPSの上昇+PERの再評価。

この二つが同時に起きていたのです。

なぜ私は1500ドルを考え始めたのか

私は1500ドルを予言しているわけではありません。

ただ、

AIデータセンター投資が続く。

HBM供給制約が続く。

市場がマイクロンをAIインフラ株として評価し続ける。

この3つが成立するなら、

1500ドルというシナリオも、検討対象に入る。

そう考え始めています。

投資で大事なのは予言ではなく仮説修正

40分割しても100ドルのエヌビディア。

1000万円のビットコイン。

そして1000ドルのマイクロン。

私は最初から1000ドルを予想していたわけではありません。

むしろ、何度も予想を修正してきました。

600ドル。

700ドル。

800ドル。

900ドル。

1000ドル。

株価以上に変わったのは、私自身の仮説でした。

投資で大事なのは、未来を当てることではない。

仮説を持つこと。

数字で確認すること。

間違っていれば修正すること。

そして、熱狂に飲み込まれないこと。

1000ドルは天井なのか。

それとも通過点なのか。

正直、私にも分かりません。

ただ一つ言えるのは、

1000ドルは、もはや夢ではない。

そして、

1500ドルは予言ではなく、検討すべきシナリオになった。

だから私は今日も、

PERを見て、

SOXを見て、

AI投資を見て、

そして自分自身の熱狂も見続けています。

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