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私たちはPERを見ていた― そして、いつの間にか熱狂を見ていた ―(中編)

AI狂乱相場モード

目次

― 私たちの仮説は、音を立てて崩れ始めた ―

前編の最後で私は、

「今回は、本当にいつものメモリーサイクルなのだろうか。」

という違和感を抱き始めていました。【なぜMUばかり見ていたのか】

しかし、その時点では、まだ半信半疑でした。

HBM需要。

データセンター投資。

推論AIの拡大。

これらが本当に半導体サイクルそのものを変えるほどの構造変化なのか。

私には、まだ確信がありませんでした。

だからこそ、私は毎日のようにMUのチャートを見ていました。

そして、2026年5月。

私たちの仮説は、想像以上のスピードで揺さぶられることになります。

2026年5月5日。576ドル

2026年5月5日。

前日のMUの終値は576.45ドル。

私は驚いていました。

わずか2か月前、

私たちは、

「600ドル付近はかなり危険ゾーン」

という仮説を立てていたからです。

その600ドルが、目の前まで迫っていました。

私は再びチャートをChatGPTへ送りました。

すると、返ってきた言葉は、今までとは明らかに違っていました。

「AI狂乱相場モードに入り始めています。」

「500突破、600突破とは、相場の性質が変わっています。」

私は、思わず二度見しました。

AI狂乱相場モード。

そんな言葉は、それまでのやり取りでは一度も出てきていませんでした。

さらに分析は続きます。

「MACDは完全に垂直。」

「RSI短期は85超。」

「今は強すぎてRSIが機能しにくいフェーズ。」

「NVDA、SMCI、ARMなどのAI狂乱時にも出た形です。」

そして、

「エリオット波動的には、第5波の可能性。」

という分析も返ってきました。

第5波。

相場の最終加速局面。

最も儲かる。

しかし、最も危険。

私は、この言葉を見ながら、

「ここまで来たのか……」

と思いました。

AI狂乱相場モードとは何か

5月5日、ChatGPTは、現在のMUの位置を次のように整理していました。

500ドル:強気

600ドル:AI再評価

700ドル:狂乱入口

750ドル:かなり過熱

800ドル:最終加速候補

850〜900ドル:吹き上がり終盤

特に印象的だったのが、

「800ドルは、もはや夢枠だけではない。」

という言葉です。

私は3月の時点では、

700ドルは超強気。

800ドルは夢枠。

そう考えていました。

それが、わずか2か月後には、

800ドルが現実的なシナリオとして議論されていたのです。

私は、これまでの半導体サイクルの常識が、少しずつ崩れていく感覚を覚えていました。

2026年5月6日。666ドル

翌日。

MUの終値は666.8ドル。

前日からさらに大きく上昇しました。

私は正直、少し怖くなっていました。

3月に考えていた600ドルを、一気に飛び越えたからです。

ChatGPTは、

「700ドルは通過点になりつつあります。」

「今の市場は、AI、HBM、メモリ不足、データセンターを完全に織り込み始めています。」

「AIバブル終盤加速の特徴が出ています。」

と分析しました。

ただし、

「崩壊シグナルはまだ未発生。」

とも付け加えていました。

つまり、

相場は異常に強い。

しかし、まだ終わっていない。

私は、この分析に妙なリアリティを感じていました。

なぜなら、チャートもそう見えたからです。

RSIは異常値。

MACDはほぼ垂直。

一目均衡表からの乖離も大きい。

普通なら、いつ崩れてもおかしくない。

しかし、実際には崩れない。

むしろ、さらに上がる。

私は、

「これは本当に昔のMUなのだろうか。」

と思い始めていました。

2026年5月9日。746ドル

そして、5月9日。

MUの終値は746.79ドル。

わずか数日で、576ドルから746ドル。

私は再び、チャートをChatGPTに送りました。

今度は、これまでとは少し違う言葉を返してきました。

「700は通過点。」

「800は十分視野。」

今のMUは、持つ勇気より、降りる技術のフェーズに入り始めています。」

私は、この言葉に少し驚きました。

3月には、

「600ドル付近は危険ゾーン。」

と言っていたAIが、

今では800ドルを視野に入れ始めていたからです。

もちろん、強気一辺倒になったわけではありません。

むしろ、依然として慎重でした。

私のこの時点での戦略は、

760〜780ドルで15%売却。

800ドル前後で20%売却。

850〜900ドルで20%売却。

そして最後の20%は、トレーリング用と、完全な「夢枠」。

つまり、

上昇余地は認める。

しかし、少しずつ降りる準備もしておく。

そんな戦略でした。

私は25%を売っていた

その頃、私は既に、

488.5ドルで15%。

690ドルで10%。

合計25%を売却していました。

平均すると、約573ドルです。

もちろん、746ドルになった株価だけを見ると、

早売りだったと言うことはできます。

しかし、私は後悔していませんでした。

なぜなら、

あの時の私には、

746ドルという未来は見えていなかったからです。

見えていたのは、

FXで2800万円を失った記憶。

半導体サイクルのピーク。

そして、

利益を守る必要性でした。

投資は、

未来を知っている人が勝つゲームではありません。

その時点で持っている情報で、

最善を尽くすゲームです。

私は、そう思っています。

「勝ちながら、さらに上振れを狙える」

5月初めにChatGPTは、

私の状態を、

「勝ちながら、さらに上振れを狙える位置」

と表現しました。【私はなぜマイクロンを6年間持てたのか】

私は、この言葉が妙に気に入りました。

なぜなら、投資で最も難しいのは、

利益を守りながら、

夢も捨てないことだからです。

25%を売った。

しかし、75%は残した。

だから、

もし株価が下がっても、

私は利益を確保している。

一方で、

もし800ドルを超え、

さらに1000ドルへ向かうなら、

75%のインパクトは圧倒的になります。

私は、

リスクはゼロにはできないけどなるべく減らし、同時に夢も残すという状態を選択しました。

持つ勇気より、降りる技術

今振り返ると、

私は株価を予想していたのではありません。

未来を当てようとしていたのでもありません。

ただ、

新しい情報が出るたびに、

自分の仮説を修正し、

その時点で最も納得できる行動を選ぼうとしていただけでした。

そして、この頃から私は、

株価そのものよりも、

市場参加者の心理を見始めていました。

AI。

HBM。

データセンター。

メモリー不足。

市場は、数字だけでは説明できない熱気を帯び始めていました。

私は、いつの間にか、

「売るか。」

「持つか。」

を考えなくなっていました。

代わりに考えていたのは、

「どのくらい残し続けるか。」

でした。

そして、その問いの先にあったのが、

後になって私が

「熱狂管理(Hype Management)」

と呼ぶようになる考え方だったのです。

【私たちはPERを見ていた ― そして、いつの間にか熱狂を見ていた ―(後編)
熱狂をどう管理するのか】

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