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第19話 投資案件で2,700万円を失った理由|私が見誤った「儲かる構造」

目次

ー投資案件の何を見誤っていたのかー

この記事を書くかどうか、正直かなり迷いました。

約2,700万円。

これが、2016年から2018年にかけて、投資案件で失った金額です。

実は、その前の2016年には、FXで大きな損失を出し、早期退職金を失っています。

つまり、この2,700万円はFXの損失とは別物で、死に物狂いで働いて貯めてきたなけなしのお金の話です。

でも、今ではこの失敗を書かなければ、私の投資人生は語れないと思っています。

第4話の続きを書こうと思います

第4話では、SENERという投資案件について書きました。

台湾まで説明会に参加し、「これから世界が変わる」と本気で信じていた頃の話です。

今回は、その続きを書こうと思います。

私は2016年から2018年にかけて、SENER、D9、Lendroid、With Coin、NOAH Coin、暗号資産レンディング、フィリピン株投資、カンボジア不動産、インドネシア投資信託、ネット通販プラットフォーム、など、さまざまな投資案件に参加しました。

よく、「一番大きな失敗は何ですか?」

と聞かれます。

でも、私には一つに絞れません。

当時参加した主な案件を振り返ると、こんな状況でした。

案件投資額(概算)最終的な結末
SENER約600万円事業終了
D9約600万円事業終了
Lendroid240万円「プロジェクト終了」の告知のみ
With Coin–上場せず、発信者も消息不明
フィリピン株投資約500万円5年以上返金されず
カンボジア不動産–担当者変更後、連絡不能
インドネシア投資信託–現地で口座解約し、残金回収

※金額はいずれも概算です。現在も回収手続きが継続している案件を含みます。

その他にも、小さな案件はいくつもありました。

気が付けば、損失の合計約2,700万円。

一撃ではなく、 少しずつ何度も負け続けていました。結果として、約2,700万円を失いました。

この数字だけを見ると、「怪しい案件に騙された人」という印象を持たれるかもしれません。

でも、実際はもう少し複雑でした。

私が出会った「投資の師匠」

私には、一人の「投資の師匠」がいました。

実名は出せませんが、私の投資人生に大きな影響を与えてくれた方です。

その師匠は、決して口先だけの人ではありませんでした。

実際、私が師事している期間中、その師匠が投資したICOは、何百倍、何千倍にも成長したものがいくつもあります。

そして、それらは今でも仮想通貨取引所で売買されている銘柄です。

もちろん投資する金額も私なんかの何十倍、何百倍です。

成長利益もとてつもない金額です。

一度総資産について師匠に尋ねたことがあったのですが、

「1,000億円は超えているよ。」

そう静かに話していたのを覚えています。

今振り返ると、私と師匠の一番大きな違いは、経験の厚みだったと思います。

師匠は、投資案件があれば世界中へ足を運び、自分の目で確かめる方でした。

私も何度か海外をご一緒させていただきました。

投資案件の視察だけではありません。

投資仲間と共に旅行へ行き、食事をしながら投資について話を聞く機会もありました。

何を買えば儲かるかではなく、

「投資とはどう向き合うべきか。」

そんな話を聞いていました。

印象的だったのは、成功談だけではなく、失敗も包み隠さず話してくれたことです。

案件が思うようにいかなかった時も、現実を受け止め、冷静に状況を説明する姿勢は、今でも私の記憶に残っています。

だから私は、その人の話を信じました。

「この人が言うなら間違いない。」

そう思ったのです。

ここまで読むと、

「それは騙されていたのでは?」

「その人は詐欺師だったのでは?」

そう思われる方もいるかもしれません。

私も何度か考えたことはあります。

それでも今でも、私は師匠が私を騙そうとしていたとは思ったことはありません。

実際に成功していた人だからです。

今思えば、私は、師匠が紹介してくれる案件だけを見ていました。つまり、私は師匠の”答え”ばかり見ていました。

でも、本当に学ぶべきだったのは、師匠が何に投資したかではなく、師匠が答えを出すまでの考え方だったのです。

「挑戦を続けろ」という言葉

私の投資の師匠は、よくこんな話をしていました。

「多くの案件の中の一つが外れただけ。」

「早く裕福層の仲間入りをしたいなら、リスクを取り続けること。」

「ここでやめてしまう人は、上のステージにはいけない。」

「投資を知り尽くした私でも騙されることもある。それだけハイリスクハイリターンの案件ということ。」

当時の私は、この言葉を

「新しい投資案件へ挑戦し続けろ」

という意味だと受け取っていました。

でも今振り返ると、師匠が伝えたかったのは、一つ失敗したからといって投資そのものを諦めるな、ということだったのかもしれません。

大きな成功を収める人は、挑戦をやめません。

リスクを避けてばかりでは、大きな成果を得られないことも事実です。

しかし、当時の私は投資初心者でした。

私は「挑戦を続ける」という言葉を、

「新しい投資案件へ次々と参加し続けること」

だと受け取ってしまったのです。

今思えば、それは大きな勘違いでした。

私の師匠は、何百という案件を見てきた経験の中から投資先を選んでいました。

一方の私は、師匠が紹介する案件しか知りませんでした。

同じ案件に投資していても、見えている世界はまったく違っていたのです。

※私が現在AI投資で重視している考え方は、こちらの記事でも書いています。

👉 第17話「AI半導体の次のボトルネックはどこか|マイクロン決算で市場が買ったもの」

2017年、ICOという熱狂

2017年。当時は仮想通貨バブルの真っただ中でした。

ICOという資金調達方法が次々に登場し、「次の100倍銘柄」が毎日のように話題になっていました。

もちろん、すべてが詐欺だったと言うつもりはありません。

実際に成功したプロジェクトもあります。

一方で、危険な案件も数え切れないほど存在しました。

しかも、多くはビットコインやイーサリアムで支払います。

送金したら終わり。

銀行振込のように止めることもできず、クレジットカードのような補償もありません。

革新的な仕組みは、残念ながら悪意のある人たちにも利用されました。

※ 当時の熱狂については、第18話で詳しく書いています。

👉 第18話「仮想通貨バブルで私は「夢」を買っていた|2017年の投資体験」

案件は、それぞれ違う終わり方をしました

Lendroidには240万円を投資しました。

数年後、ホームページを見ると、そこには一文だけ。

「Lendroidプロジェクトは終了しました。」

理由もありません。

返金もありません。

謝罪もありません。

240万円は、その一文で終わりました。

With Coinでは、「必ず上がる」とネット上で顔出しをして話していた人がプレセール後に消息を絶ちました。もちろんどこの取引所にも上場されませんでした。

その他にも多くの仮想通貨が、草コイン、詐欺コインと呼ばれ、大々的に喧伝し、プレセールで莫大な金額を集める。でも結局どこの取引所にも上場されない、価格がつかない、ということは日常茶飯事でした。

フィリピン株投資では、「担当者が変わります」という連絡のあと、新しい担当者から「フィリピンの制度上、日本送金の処理手続きが複雑で時間がかかる」と言われ、5年以上経ちましたが未だに送金されません。

カンボジア不動産も同じで、担当者が変わり、連絡がなくなりました。

インドネシア投資信託も同じでした。

インドネシア投資信託については、現地の銀行口座に残高がありました。

最終的に「もう誰も頼れない。」

そう思い、自分で航空券を取りました。

ジャカルタの銀行へ行き、

英語で事情を説明し、

何時間も交渉しました。

最終的には口座を解約でき、

残金だけは回収できました。

途中で担当者や運営が変わり、その後、連絡がなくなる。

当時は、それぞれ別の出来事だと思っていました。

でも今振り返ると、共通する構造がありました。

そして、SENERやD9にはもう一つ特徴がありました。

紹介した人が増えるほど紹介料が入る仕組みだったことです。

私は幸い、知人を積極的に勧誘することはありませんでした。

そのため、人に迷惑をかけずに済みました。

これは本当に救いだったと思っています。

私が見直したのは「市場」でした

2,700万円を失っても、私は投資をやめようとは思いませんでした。

ただ、「投資」という言葉を一括りにして考えることはやめました。

仮想通貨。

株式。

投資信託。

信用取引。

金。

不動産。

それぞれの市場には、それぞれ異なる価値とリスクがあります。

例えば、今でも私はビットコインとイーサリアムは保有しています。

一方で、他の仮想通貨のプレセールやICOへの投資はもうしません。

株式市場には決算があります。

開示資料があります。

利益があります。

もちろん損をすることもあります。

それでも、自分で分析する材料があります。

市場の性質を理解し、その市場に合った投資をする。

その考え方は、この2,700万円の失敗から学びました。

おわりに

今でも、師匠の「挑戦を続けろ」という言葉は正しいと思っています。

ただ、その言葉の意味は、人によって違います。

経験豊富な投資家が言う「リスクを取る」と、初心者が考える「リスクを取る」は同じではありません。

私は、その違いを十分に理解しないまま前へ進み続けました。

だから私は、同じ失敗を何度も繰り返しました。

でも、その失敗があったからこそ、今は「誰が勧めているか」ではなく、「どんな仕組みなのか」を最初に考えるようになりました。

2,700万円という授業料は、決して安くはありませんでした。

でも、あの経験がなければ、今の私はありません。

だから私は、師匠を否定するのではなく、自分の受け止め方を見直しました。

あの日から私は、「人」を追いかける投資ではなく、「仕組み」を理解する投資家になろうと決めました。

次回予告

第20話 成功体験は、時に失敗よりも危険だった

「私は二度と『利益』では投資しない」

「前に儲かったから、今回も大丈夫。」

そんな考え方が、私の判断を何度も狂わせました。

次回は、「利益に引っ張られる投資」とどう決別したのかを書きたいと思います。

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この記事を書いた人

長年、半導体分野の技術開発に携わった経験を持つ会社員投資家です。昼は会社員、夜と週末は投資の成功と失敗を振り返りながら、半導体・AI企業の成長構造や売買判断について書いています。

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