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なぜ私はFXで大損したのか

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なぜFXを始めたのか

私は過去に、FXで退職金のほとんどを失いました。長年働いて積み上げてきたお金でした。今振り返ると、

「なぜあんなリスクを取れたのだろう」

と思います。でも当時の私は、

「なんとか人生を立て直したい」

という気持ちでいっぱいでした。

長年勤めた会社を退職した時、私はかなり悔しい気持ちを抱えていました。不満がなければ、普通は長年勤めた会社を辞めません。私もそうでした。早期退職制度を利用して退職した私は、積み増しされた退職金を手にし、

「このまま終わりたくない」

という思いが強くなっていました。どこかで、

「周りを見返したい」

という感情もあったのだと思います。そんな時に目に入ったのが、ネット上に溢れていたFXの成功談でした。

「数百万が数千万になった」
「会社を辞めて自由になった」
「レバレッジで人生が変わる」

今思えば、都合の良い話ばかりを見ていたのだと思います。ですが当時の私は、

「自分にもできるかもしれない」

と本気で思っていました。

「もっと増やせる」と思っていた

最初の年は、実際そこそこ利益が出ました。それが良くなかったのだと思います。会社員の給料では何か月もかかる金額が、数日で増えていく。その感覚に、少しずつ麻痺していきました。私は次第に、

「投資金額を増やせば、もっと稼げる」

と考えるようになりました。そして、退職金の多くをFXに入れていきました。

もちろん、為替が上下動すること自体は理解していました。そのため、自分なりに広いレンジで注文を入れ、

「1日で2.5円程度の変動なら耐えられる」

という前提で資金管理をしていました。ですが今振り返ると、

「大暴落はそう簡単には来ない」

と、どこかで高を括っていたのだと思います。さらに今思えば、急にまとまった退職金を手にしたことで、感覚が少し麻痺していたのかもしれません。長年働いて積み上げたお金だったはずなのに、

「失うかもしれない」

より、

「もっと増やせるかもしれない」

ばかりを考えていました。

崩れた日

そして2016年2月。

急激な円高が始まりました。私の想定を超えるスピードで、為替は動いていきました。

強制ロスカット。

それは、本当にあっという間でした。

その日は仕事を早めに切り上げ、自宅のパソコンでFXの画面を開きながら呆然としていました。何度も画面を更新していました。ですが、どうすることもできません。画面を見ながら

「自分は何をやっていたんだろう」

と思いました。その結果、2016年の年間損益はこうなりました。

(※個人情報部分は加工しています)

長年働いて積み上げてきた退職金は、一瞬で消えました。

その後もしばらくは、毎日仕事へ行きながら、心ここにあらずという状態でした。何をしていても気持ちは沈み、食欲もなくなりました。

「人生が終わった」と、本気で感じていました。

ですが、不思議と、

「もう一度FXで取り返そう」

とは思いませんでした。

それよりも、「ここからどう立て直すか」を考えていた気がします。

今振り返ると、私は、

「理解する」より先に、「増やしたい」

を優先していたのだと思います。

リスクを考えていた“つもり”にはなっていました。ですが実際には、

  • 想定外の暴落
  • レバレッジ
  • 最悪のケース

を、本当の意味では理解できていませんでした。

この経験で変わったこと

この経験は、その後の投資の考え方を大きく変えました。それ以来、私は、

  • なぜその市場が成長するのか
  • なぜその企業が利益を出せるのか
  • リスクはどこにあるのか
  • 最悪の場合どうなるのか

を以前より強く意識するようになりました。

それでも、まだ遠回りは続く

もちろん、その後も数々の失敗を繰り返します。人は、一度の失敗だけで急に賢くなれるわけではありません。ですが少なくとも今は、

「よく分からないけど上がりそう」

という理由だけで、大きなお金を入れることはなくなりました。

投資で一番怖いのは、

「分からないこと」

そのものではなく、

「分かっていないのに、分かった気になってしまうこと」

なのかもしれません。

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