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私たちはPERを見ていた ― そして、いつの間にか熱狂を見ていた ―(後編)

熱狂をどう管理するのか

目次

― 本物の成長企業と、短期的な熱狂は同時に存在できる ―

前編では、私はマイクロン(MU)というメモリー銘柄を通して、半導体サイクルそのものを見ていたことを書きました。

中編では、その仮説が5月に入って大きく揺らぎ始めたことを書きました。

600ドル付近が危険ゾーン。

9合目。

そう考えていた私たちの前で、MUは想像を超えるスピードで上昇を続けました。

そして私は、ある問いに向き合うことになります。

AI革命は本物なのか。

それとも単なるバブルなのか。

2026年5月12日。795ドル

2026年5月12日。

MUの終値は795.33ドル。

高値は818ドルを付けていました。

RSIは90を超え、

MACDはほぼ垂直。

一目均衡表からも大きく乖離していました。

もし私が半導体業界にいた頃のMUなら、

ここまでのチャートを見たら、

「完全に行き過ぎだ。」

と考えていたと思います。

私は再び、チャートをChatGPTへ送りました。

すると返ってきたのは、

今までとは少し違う言葉でした。

「昔のMUは、景気敏感株の典型として見られていました。」

「しかし今は、AIインフラの主役級として扱われ始めています。」

そして、

私が最も印象に残っているのが、次の言葉です。

「本物の成長企業と、株価の短期過熱は同時に存在できます。」

私は、この言葉に妙に納得しました。

なぜなら、それまで私は、

「AI革命は本物か。」

「それともバブルか。」

という二択で考えていたからです。

しかし、その二つは両立する。

「AI需要は本物。」

「HBM需要も本物。」

「データセンター投資も本物。」

「推論AIの拡大も本物。」

しかし、その一方で、

株価だけが先走り、

短期的に熱狂することもある。

これは十分にあり得る。

私は、その時初めて、

「本物の成長」と「短期的な熱狂」を分けて考えるようになりました。

歴史は何度もそれを繰り返してきた

ChatGPTは、こんな例を挙げていました。

Cisco。

Tesla。

NVIDIA。

Bitcoin。

どれも、

「今回は本物だ。」

と言われながら、

途中で何度も50%級の調整を経験しています。

しかし、面白いことに、

その多くは、本当に世界を変えました。

Ciscoはインターネットを支えました。

TeslaはEVを普及させました。

NVIDIAはAI革命の中心になりました。

Bitcoinは、今でも賛否はありますが、金融資産として一定の地位を築いています。

つまり、

本物の成長企業だから、

株価が常に適正とは限らない。

本物だからこそ、

期待が先行し、

熱狂が起きることもある。

私は、この考え方に強く共感しました。

なぜなら、私は過去に、

「本物か、バブルか。」

という二択で何度も悩んできたからです。

しかし、実際の市場はもっと複雑です。

本物の成長と、

短期的な過熱。

その二つは、同時に存在できる。【私はなぜマイクロンを6年間持てたのか】

私は、このことをようやく理解し始めていました。

2026年5月27日。「何が起きている?」

2026年5月27日。

MUの終値は895.88ドル。

私は、思わず、

「何が起きている?」

とChatGPTへ質問しました。

3月5日時点で、私たちは、600ドル付近を危険ゾーンと考えていました。

4月17日には、9合目と考えていました。

5月初旬。AI狂乱相場モード。

そして5月27日、900ドルが目前。

私は、自分が立てていた仮説が、音を立てて崩れていく感覚を覚えていました。

しかし、不思議と恐怖だけではありませんでした。

同時に、

「歴史的な場面に立ち会っている。」

という感覚もありました。

するとChatGPTは、

次のように分析しました。

「熱狂前にリスクを落としつつ、上昇にも乗れている。」

「かなりバランスの良い動きです。」

「勝ちながら、さらに上振れを狙える位置にいます。」

そして、

私が最も印象に残っているのが、次の言葉です。

「市場は、昔のMUのPER感覚を捨て始めています。」

昔のMUのPER感覚

3月。

PER12倍。600ドル危険。

4月。

PER8倍。9合目。

これが、当時の私の認識でした。

しかし、5月後半になると、

市場は違うものを見始めていました。

AIメモリー不足。

HBM寡占。

データセンター投資。

推論AIの拡大。

つまり、

「景気敏感DRAM株」

ではなく、

「AIインフラを支える戦略資産」

としての再評価です。

もちろん、

それが正しいかどうかは、今でも分かりません。

しかし、株価とは、

未来の期待を織り込むものです。

そして2026年5月、

市場は、

MUの未来を、これまでとは全く違う形で見始めていました。

なぜ私は全部売らなかったのか

私はポートフォリオのMU株のうち、

488.5ドルで15%。

690ドルで10%。

合計25%を売却していました。

平均すると、

約573ドル/株です。

そして、

75%を残しました。

なぜか。

もし本当にAIがインターネット以来のインフラ革命なら、

「半導体サイクルそのものの形が変わるかもしれない。」

その可能性を、

私は完全には否定できなかったからです。

しかし、

全部持ち続ける勇気もありませんでした。

私は2016年、

FXで約2800万円を失っています。

利益を確定できず、

「まだ上がる。」

「もう少し。」

を繰り返し、

最後には大きな損失になりました。

だから今回は、

全部持つ、

という選択もしませんでした。

しかし、

全部売る、

という選択もしませんでした。

一部を利益確定し、

一部を未来へ残す。

それが、

私なりのリスク管理でした。

「売るか持つか」ではなく、「どのくらい残し続けるか」

今振り返ると、

私は、

「売るか。」

「持つか。」

を考えなくなっていました。

代わりに考えていたのは、

「どのくらい残し続けるか。」

でした。

1000ドルを超えても、

一直線に上がり続けることはありません。

むしろ、

+20%。

−15%。

+25%。

−20%。

そんな狂暴なボラティリティになるかもしれません。

その時、

全部持っていれば、精神的に結構きついのは知っている。

全部売っていれば、未来を取り逃がすかもしれない。

だから私は、

少しずつ熱狂を現金化しながら、未来も残す。

という考え方にたどり着いていました。

今思えば、

私は株価分析をしていたのではありません。

PERを見ていたのでもありません。

半導体サイクルを見ていたのでもありません。

私が本当に向き合っていたのは、

「熱狂をどう管理するか。」

という問いだったのかもしれません。

そして、その考え方を、

私は後になって、

こう呼ぶようになります。

Hype Management(熱狂管理)

次回は、この「熱狂管理」について、もう少し深く考えてみたいと思います。

【熱狂管理(Hype Management)― 本物の成長企業と、行き過ぎた株価をどう見分けるのか ―】

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